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イタリアいなかまち暮らし

イタリアいなかまち暮らし

カンポバッソ市とは・・・

カンポバッソ市とは・・・


 モリーセの中心に位置する最主要都市(州都、県庁所在地のようなもの)。人口6万人。

他市との交通

ローマまで200kmほど。大阪~名古屋くらいなのだが・・・

鉄道:各停しかなく、3時間強かかる。
車:州内まで高速が来てないので約1時間半普通道路、途中から高速でやはり合計3時間半。
バス:上記のルートを通る、つまり「半高速」バスがある
飛行機:もちろん飛行場など州内にない。最寄の飛行場はペスカーラだろうか、ローマに行くのと大して差がない。ローマの空港までは直通バスが無く、家からはまず車かタクで長距離バス乗り場→「半高速」バスでローマのバスターミナルまで→バスか地下鉄に乗り換えてやっと空港、ということになり空港までが大旅行である。

ナポリ間も同じく車はモリーセ内は普通道路、カンパーニャに入ってしばらくして高速。ローマよりわずかに近くて2時間半ほど。半高速バスもある。鉄道はカンポバッソからはないようだ。

市内の交通

公共のものはバスのみ。鉄道は基本的に長距離移動用で、本数は少ないし次の駅はすでに他の町と言う状態。
タクシーは動いているものを見たことがない。どうも誰も利用しないので呼び出し専用なようだ。
ちなみに夜中の12時に長距離バスステーションに着いたことがあり、そこに書いてあるタクシー電話番号に電話してみたのだが、当然のように誰も出なかった。
そのときは友人に電話して助けてもらったのだが、皆そうやって助け合っているのでタクシー商売が成り立たないのだろう。

これでもひとつの州の州都なのだ。

ファストフード

 さらに信じがたい事実を披露しよう。この事実をインターネットで世界に向けて発信した人はいないだろう。それは・・・

 カンポバッソには、マクドナルドが一軒もない!!!

   
 イタリアにはケンタッキーが進出していないので、当然それもない。
 そもそもイタリアにはコンビニがない。サーティワンもスタバもない(これは当然?)。それでここに住むとそういう世界的チェーンをまったく見ないというのも、田舎町気分をさらにアップさせる要因となる。世界から切り離されたような孤立感がある。
(ちなみにモリーセ内のほかの町にもマクドはない)

 まあマクドがなくったって生きていけるし、日本でもほとんど行くことがなかったんだけど、ここにマクドがないことに気が付いてからは他の町でマクドを見かけたらなんとなく「いこか?」などとつい寄ってしまう。相方もハンバーガ好きだし。(ちなみに日本でたまにモスバに相方連れて行ったけど、奴はライスバーガーばっか食ってた。ちょっとはハンバーガ食ってマクドと比較してや!!)

ちなみに中華料理店は2軒あったのだが最近1軒閉店して、残るは1軒のみとなってしまった。その他に外国料理はない。やはりこれでも州都なのだ。

気候

 内陸でアペニン山脈に近く、やや標高が高いせいか、冷涼地である。冬が長くて11月から4月まで冬コートが必要。
夏は大体涼しいけど、一時的に大阪のように暑くなるときもある。ただし暑いと言っても乾燥しているので陰に入ればやり過ごせる。暑いときで35度くらいだけど、イタリアの35度は日本のよりも涼しく感じる。真夏でも大体の建物の中は涼しいので冷房は基本的にいらない。特に石造りだと半そででは寒いくらい。日向では太陽の照り付けが厳しくて焦げそうになる。昼と夜の気温差が激しい。
夏は雨が降らず6月から8月までほとんど晴天が続く。

秋と冬に雨が多く10月に雨が降り出したら春までずっと降ったり止んだりが続く。ウチのベランダにハーブの鉢植えをいくつか置いているのだが、秋と冬の間しょっちゅう雨か雪が降り、そのほかの日も曇りで温まらないためいつ見ても土が湿っていて、とうとう10月から3月まで1度も水をやらずにすんだ。雨季か!?
雪は一番積もっているときでも積雪50cmをちょっと超えるくらいだろうか。しかし1,2月は降って、解けて、乾いたと思ったらまた降るという繰り返しで、いつも地面が濡れている。

なぜカンポバッソか?

 さて大阪府出身の私がこんなところに住んでいるので大変である。最初は不満たらたらだった(今もだが)。夫には以下のような説明をもってごまかされている。

 土地が安く、物価も安いことと、マフィアがいないことである。
 そう、南イタリアで恐れられているマフィアも、このカンポバッソまでは来ないのだ。さすがに忘れ去られた町である。夫はここで郊外に土地を買って小さなレストランを建てようとしていた。ローマだとあまり目立って繁盛してしまうと、ソノテの人がショバ代を徴収しにいらっしゃるそうだ。そこまで繁盛する可能性も低そうなのだが、用心に越したことは無い。

 そして土地が安いということは投資金も手持ちの範囲ですむ。借金が嫌いな夫。
 そして材料費が安い割にはレストランの客単価はそう安くない。競争が無いので勝てるということ。夫は魚介料理を最も得意とする。カンポバッソで本格的な魚介料理専門のレストランは老舗の1件だけで、そこは高級路線でしかも長年ずっとメニューを変えていない。都会ではけして一番にはなれないが、ここではチャンスがある。牛の尾より鶏の頭がなんたらと言うことわざのとおりである。

 あと夫の実家の村から30kmほどで、いざと言うときに何らかのコネや助けが使えるかもという計算。実際はこの町に移り住んでいる人や通っている人は数えるほどしかいないんだけど、やっぱりすごく助かったこともある。
 1年間土地探しをした私たちは結局優柔不断により購入は断念して、市街地の物件を借りた。一年間夫が一人こつこつ改装して、2005年10月にオープンした。

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